京都府京田辺市、同志社大学、日産自動車株式会社、および京都日産自動車株式会社の4者は、2025年10月3日、電気自動車(EV)の普及を通じ、京田辺市内の脱炭素化と強靭化を図ることを目的とした連携協定を締結しました。本レポートでは締結式や終了後に行われたデモンストレーションの様子をご紹介いたします。
締結式の様子
締結式は、京田辺市役所で行われ、京田辺市 上村崇市長、同志社大学 小原克博学長、日産自動車株式会社 日本マーケティング&セールス 執行職 杉本全氏、京都日産自動車株式会社 代表取締役社長 中村正人が登壇しました。
連携協定締結に先立ち、今回の協定に至った背景の説明がありました。

京田辺市は2023年3月に策定した地球温暖化対策実行計画に基づき、運輸部門の温室効果ガス削減に取り組んでおり、重点施策として電動車両の導入を進められております。
同志社大学は、2024年7月に京田辺市・日産自動車と持続可能なまちづくりに向けEVを活用したゼロカーボンシティ実現とモビリティサービスの推進に向けた産官学連携協定を締結。この度、脱炭素化の促進と強靭化を目指す京田辺市と、ゼロカーボンを推進する同志社大学が日産の「ブルースイッチ」に賛同し、本協定を結ぶ運びとなりました。
協定書に署名の後、各代表より挨拶がありました。

初めに京田辺市の上村市長は、
「本日は連携協定ということで、皆様にご支援いただいてこのような式典を開けたこと心より御礼申し上げます。ご承知いただいております通り、昨年の7月に同志社大学そして日産自動車と本市で3者協定を結ばせていただきました。その中で市民の方にも見える形の取り組みで何ができるかという課題があり、今回の協定といった運びとなりました。電気自動車を活用した脱炭素化に向けた取り組みは、自治体においても急務となっていますので、電気自動車をどう活用して街の中に実装化していくのかは、さらにこれから加速して実現していくことが大変重要です。本年は阪神淡路大震災から30年ということで、いざというときの災害の折には強靭化が大事です。一時的とはいえ避難所の電源確保が大事なので、電気自動車を活用して給電いただける取り組みは多変心強いと感じています。普段の防災訓練の際から市民の皆さまに見える化をし、安心して避難所にお越しいただくことを進めてまいりたい。」と、京田辺市でのこれからの取り組みについて述べられていました。
挨拶:同志社大学 学長 小原克博氏
次に同志社大学の小原学長は、
「先ほど上村市長からお話があった通り、昨年3者で協定を結びました。私たち同志社大学としては京田辺キャンパスを要する京田辺市との連携を深め、『京田辺市民のウェルビーイングを高めるため』『市制を活性化するため』にいろいろな貢献をしたいということを願ってまいりました。本学は行政や企業を繋ぐプラットフォーム・HUBとしてこれからも機能していきたいと考えています。国では地方創生という枠組みの中で地域社会をどうやって活性化していくかということが大きな課題になっています。その中で各大学は地域と連携しなさいと言われていて、私たちは京田辺市・日産自動車と一緒にやっていく中で他の地域にはないような突出した良きモデルを作っていきたいと願っています。そして京田辺市の中だけでウェルビーイングを高めていくのではなく、これを全国に発信していきたいと思います。本学は今年創立150周年を迎えます。ここ京田辺キャンパスも来年開校40周年を迎えるといことで、京田辺市に40年もの間お世話になってきました。こうした恩に対してしっかりと報いていくためにも、4者協定ベースになすべきことをなして全国のモデルとなるような結果を示したい。」と、今後の展望を述べられました。
挨拶:日産自動車株式会社 日本マーケティング&セールス 執行職 杉本全氏
次に、日産自動車の杉本氏は、
「本日は本連携協定を締結できることを大変光栄に思っております。昨今、環境問題への関心の高まりとともに、日本国内においてもクルマの電動化が進んでおります。我々日産自動車は日産リーフ、日産アリア、日産サクラ、クリッパーEVと4車種発売させていただいており、今まで30万台強の電気自動車を世の中に提供させていただいております。また、国内の販売会社の皆さまと共に脱炭素化の社会実現に向けて「ブルースイッチ」という活動を推進しています。電気自動車の普及を通じたSDGsの達成に向けて、多くの自治体・企業と連携させていただき、本日の協定で全国282件目の協定となります。電気自動車は走行中の排出ガスが0ということのみならず、災害時には蓄電池として活用できるなど、様々な形で皆さまのお役に立てる、クルマという概念にとらわれない新しいモビリティです。日産自動車の電気自動車が京田辺市や同志社大学の課題に1つでもお役に立てれば嬉しいです。」と今後も京田辺市・同志社大学の支援を続けることを述べられました。
挨拶:京都日産自動車株式会社 代表取締役社長 中村正人
最後に京都日産代表の中村正人は、
「本日連携協定を締結できたこと本当に嬉しく思っています。先ほどのご紹介の通り、日産の電気自動車は走行中の排出ガス0ということで大変ご好評いただいております。我々京都日産は「京都日産の地域とつながり隊」という活動を現在推進しております。地元のお客様とパートナーとして電気自動車を活用した地域課題の解決ができないかなということでスタートしており、この連携が京都府内では6件目の締結となっております。電気自動車は非常に容量の大きいバッテリーとして、災害時に電気が通ってない場所での電力の供給源となります。災害はいつどこで起こるか分かりません。例えば南海トラフの万が一の準備にも備え、脱炭素化の促進、エネルギーの効率的な利用という意味でも電気自動車は活用していけると考えております。今回地元の販売会社として地域に貢献していきたいという想いから協定を締結させていただきました。我々の電気自動車を多くの方に理解してもらうため京田辺市・同志社大学と一緒に進めていきたく、環境イベント・災害イベント等もやっていけたらと思います。電気自動車はクルマ本来の性能としても加速時の力強さ・スムーズさ・静粛性も高いので、是非一度京都日産の店舗に遊びにきてください」とより多くの人に電気自動車を体験してもらえるよう呼びかけました。
給電デモの様子
締結式終了後は京田辺市役所の玄関前に場所を移動し、給電デモンストレーションとフォトセッションが行われました。玄関前には日産の電気自動車である日産アリア、日産サクラが並びました。
京都日産のブランドクルーによる試乗体験も行われ、実際に日産サクラの走りを体感した上村市長は、「ストレスなく加速、侵入、車線変更が行えるのは電気自動車ならではの特性で、エンジンタイプと違ってラグがない」と感激されていました。

